恐怖のループゲーム、その後 サンダークロスⅡ

サンダークロスⅡは、コナミが開発した横スクロールシューティングだ。はっきり言って、マイナーなゲームである。一部の人間の間で、極悪難易度シューティングとして知られていた。

このゲームに関しては、私の認識は以前と大きく変わった。確かな情報は少ないのだが、自分なりに説明してみたい。




動画1


サンダークロスⅡとはどんなゲームなのか、まずは動画1を観てもらいたい。3周目の4面まで到達している。

周回数が上がると、敵弾が速くなる、敵弾の数が増える、敵の耐久力が上がる等の変化がある。このうち最も厳しいのが敵が硬くなることだ。5周目くらいになると、フルパワーであっても壊しきれない敵が多くなってくる。

敵が硬くなるので、復活が異常に厳しくなる。敵弾が避けられないということより、敵に押し潰されて死ぬという世界だ。動画1でも、最後のほうはそんな死に方ばかりになっている。



私も以前、少しだけサンダークロスⅡをやっていたことがある。自分では5周目くらいが限界だった。敵の攻撃が激しいのもつらいが、やはり敵が硬いのが大きい。一度ミスしてしまうと、復活はまず無理。特に4面に置いてある連続した壁などは、明らかに潰されて死ねと言っているとしか思えなかった。

私が鮫!鮫!鮫!の現役だった頃、別ページで紹介した白井さんが、このゲームの1千万点を考えていたらしい。7・8周目くらいまでしか行けなかったようだが、やっぱり敵が壊れないと嘆いていた。

当時(2004年頃)はこのゲームについての情報が少なく、15周目くらいで敵が完全に壊れなくなってしまう、1千万点を出すならとにかく点効率を上げないと駄目、などと言われていた。1千万点を達成しているのは3人くらいであるという情報もあった。

復活ができないので、1ミスで終了の鬼畜ゲーム。そういうイメージが強く残っている。本気で取り組んでいるプレイヤーが身近にいなかったので、詳しいことは分からないままだったのだが。



最近になって、YouTubeでサンダークロスⅡの1千万点の動画がアップされているのを発見し、すごく驚いた。さらに驚いたことに、このプレイヤーの方は、当サイトの古いバージョンのコンテンツを見てサンダークロスⅡを始めたとのこと。私の作ったページを見てくれている人が居ることにもびっくりだが、さらにそれをきっかけにして1千万点を出してしまうとは。感謝すると同時に、偶然の巡り合わせに心底驚いた。

以下の動画2が、1千万点達成時のものである。プレイヤー御本人が詳しい解説を載せてくれている。解説を読みたい人は、YouTubeのページへ行ってもらいたい。


動画2



このプレイヤーの方は、「いとー.」というアカウント名で動画をアップしてくれている。いとー.氏のおかげで、新しい知識を色々と得ることができた。

ゲームランクが一定値まで達すると、ボス敵が自爆するようになるらしい。また敵が弾を撃つ頻度が相当に低くなるらしい。これは初めて知ったことだ。昔はこういう話は聞いていなかった。

敵が硬くなるのは間違いないようだ。11周目で1千万点を達成されているが、やはりこのくらいの周回で決めないと苦しいのだろう。昔は13周目あたりが限界と言われていた。

敵弾がこんなに速くなるとは思ってもみなかった。確かに撃つ頻度は低くなるが、この弾速だと本当に怖い。なにせ1ミスで全てが終わってしまうのだ。よほど心臓が強くないと、精神的に持ちこたえられないはず。

復活は不可能。動画2の最後のほうでミスしてしまっているが、どうにもならないのは一目瞭然。残機の意味は全く無い。それにしても、本当に集団リンチになってしまうのだと再認識した。酷いゲームだ。



いとー.氏の1千万点達成は、間違いなく偉業だと思う。ただ、動画を観ただけでは正しく理解されないかもしれない。私なりに少し補足しておきたいと思う。

ボスが自爆するようになれば、確かに戦わなくて済む。しかし、その点数は入らなくなるようだ。これは点効率の悪化につながる。点効率が悪くなれば、それだけ余計に周回数をこなさなければならない。かえってマイナス要因になっているのではないか。

敵が撃ってくる頻度が低くなると、楽になる面はあるだろう。しかし、たまにしか撃たないというのは、撃つタイミングが把握しにくいということでもある。ましてやこの高速弾だ。一定の周期で撃って来るほうが、実は避けやすいのではないだろうか。必ずしも楽になっているとは限らないと思う。

1ミスで全てが終わるというのは、あまりにも過酷だ。1周あたりの所要時間は20分ほど。11周クリアが必要だとして、1千万点を出すには4時間弱かかる。これだけの時間をノーミスで通さなければならない。これは並大抵のことではない。

動画2をじっくり観るとわかるが、相当なリスクを背負って攻め込んでいる場面が多数ある。失敗は絶対に許されない状況で、これだけの精度を保てるのは驚異的だ。強靭な精神を持つプレイヤーにしかできないことだろう。

点効率を上げる努力もすごい。スペシャルウェポン(火の鳥みたいなショットや、極太のレーザーなど)を装備している間は、「?」というアイテムが出現する。これが高得点の鍵になるのだが、スペシャルウェポンの状態を維持するには、攻撃を控えないといけないことになる。これは相当にハイリスクな行為で、いとー.氏は相当に危険なレベルまでリスクを負っているようだ。そこまでしないと、理想の点効率にならないのだと思う。



いとー.氏は、サンダークロスⅡ関連の動画を多数アップしている。このゲームを理解するための貴重な資料であるし、観ているだけで楽しいエンターテイメント要素に満ちたものばかりだ。全て鑑賞することをお勧めする。


それにしても、世の中にはハイレベルなプレイヤーがたくさん存在するものだ。自分の見てきた世界は、まだ狭い範囲なのだろう。